放課後の囲碁ラウンジには、いつもの二人がいた。
「見えてる?」白銀シロが静かに石を置く。
「見えてるけど、まだ中央がある!」星乃クロは腕を組んで唸った。
盤面は右下でシロがわずかに優勢。けれどクロは諦めない。厚みを活かして、まだまだ暴れるつもりだ。
「その手、効率が悪いです」
「効率より、ロマンだよ!」
そんな言い合いをしていると、盤の真ん中で丸くなっていた白黒の毛玉が、むくりと起き上がった。
「……アゲ?」
アゲまるが盤上で伸びをした拍子に、置いたばかりの石が二つ、コロンと転がり落ちた。
「あっ」
「……想定外です」
いつもの光景に、ラウンジにいた生徒たちがくすっと笑った。今日も対局は、最後まで打ち終わらなかった。